日本海軍が計画した大型巡洋艦の事です。
日本海軍は戦前、ワシントン条約で対アメリカとの戦艦保有率を6割に制限されていたので(来攻する米艦隊に対し7割なら勝利できるとされていた)水雷戦隊による夜襲で戦艦対戦艦の艦隊決戦の前に米戦艦を少しでも減らして有利に戦おうと計画しました。
そのため、吹雪型などの高性能駆逐艦、妙高型、高雄型などの重武装の重巡洋艦
が建造されました。
その後、夜戦部隊である第二艦隊には敵重巡を撃破するために金剛型高速戦艦なども配備され、沢山の艦を夜間に指揮する必要になりました。
第二艦隊の旗艦たる重巡も突撃に参加するので、とてもではないですが数十隻に及ぶ艦隊を指揮する事はできません。
おまけに、優秀な速力と火力を持つ金剛型も大正時代に建造されたので艦齢がだいぶ古くなってしまっていました。
そこで、敵の重巡を圧倒できる火力と、水雷戦隊と行動できる速力、夜戦における艦隊指揮をとるために重巡(当時は甲巡と呼ばれていた)を越える巡洋艦「超甲巡」の建造が計画されました。
大和、武蔵、翔鶴、瑞鶴などが建造された③計画
信濃、大和型4番艦、大鳳、阿賀野型などが建造された④計画
その次の⑤計画にて2隻の建造が予定されました。
B65型超甲型巡洋艦
第795号艦、第796号艦
基準排水量31400トン 機関出力17万馬力 速力33ノット
全長240m 全幅 27.5m
航続距離 18ノットで8000浬
武装
31センチ3連装砲 3基 9門
98式10センチ連装高角砲 8基 16門
96式25ミリ3連装機銃 4基 12門
96式13㎜4連装機銃 2基 8門
射出機 1基 水上機3機
という要目でした。
3基の主砲、艦橋のレイアウト、煙突の形状など、大和に似た艦影になるようでした。
しかし、太平洋戦争の開戦により、戦時急造艦のを優先させた改⑤計画に変更されたので、建造中止になりました。
同じようなスペックで米海軍もアラスカ型大型巡洋艦を建造しましたが、武装、大きさ、コスト等中途半端でつかい難かったようで戦後すぐに退役してしまいました。
しかし、このアラスカ型も早期に完成してソロモンの戦いで投入されていたらかなりの強敵になっていたかもです。
超甲巡も昭和17年に完成していたら、ソロモンの夜戦で猛威を振るっていたかもしれません。
内田弘樹氏著の「砲煙の巨竜」1~3巻では超甲巡4隻が夜戦で活躍している話が読めます。
ちょっと日本海軍夜戦強過ぎw米海軍混乱し過ぎwとご都合的な内容もありますが、超甲巡が活躍する珍しい話なので興味のある方はご一読を(^^)
この超甲巡の1/700 キットは残念ながらインジェクションキットでは出ていません。レジンキットのメーカーから数点発売されていますが、値段、流通量的にちょっと無理です。
艦これに出たらアオシマさんあたりが発売してくれそうですが(笑)
無いものは作ってしまえば良い訳で、艦橋、煙突などが似ている大和のキットをバラして作ってみようと思います。
今回、ベースとしたのはタミヤの大和です。フジミの艦NEXTはお値段的に高価ですし、特シリーズのは小部品の精度がタミヤに劣ります。
タミヤの大和の構造物のデティ―ルはかっちりしているので、素材として利用するには最適です。
おまけに艦NEXTが発売されからアマゾンでも値段が下がってお買い得です(^^)v
次回は超甲巡の船体の製作にかかろうと思います。