ようやく日本軍戦車のジオラマが完成しました。
初めて作る戦車ジオラマで、試行錯誤しながら何とか完成です。
「サイパン戦車戦 昭和19年10月」

昭和19年10月15日夕刻、早朝より上陸を開始した米軍の橋頭保へ向け歩兵部隊と共にヒナシスの丘陵地よりオレアイへ、逆落としに突撃を敢行する戦車部隊、といったテーマで製作しています。
サイパン戦で10月?と思われるでしょうが、史実のサイパン戦は6月15日に米軍の上陸が始まっていますが、米軍も当初は1944年10月にマリアナ諸島の攻略を計画していました。しかし、ギルバート、クエゼリン、エニウェトクの攻防戦、トラック島への航空攻撃、その後のマリアナ、パラオへの航空攻撃などで日本軍の抵抗が予想以上に弱く、作戦計画は6月に前倒しになりました。
日本側も米軍のサイパンへの侵攻は10月と予想し防備が遅れていました。守備隊主力の第43師団が到着したのが米軍上陸直前の5月20日でした。住民の歓呼の声の中市街地を行進していた師団が、そこから僅か1ヶ月半で玉砕の運命をたどっています。

今回のテーマは、「もしサイパンの防備が強固に準備され、米軍上陸部隊撃滅へと突撃する戦車部隊と歩兵部隊」です。
今回の主役は4式中戦車です。
史実の4式中戦車は終戦まで試作車両2両の完成にとどまった戦車です。
陸軍の戦車開発生産は航空機や船舶の生産が優先され、常に後回しになっていました。
もし、「昭和19年中に4式中戦車や3式中戦車が完成していたら・・」の設定で製作しています。

昭和19年の夏より量産の開始された4式中戦車、その試作車両2両が決戦の地サイパンへ送られましたという設定で。
4式中戦車と共に海軍陸戦隊も軍刀や銃剣を振りかざして突撃中です。

はじめは4式中戦車を1両配置するつもりでしたが、ジオラマベースを広く作ってしまったので何だか間延びした感じでしたので・・
もう一両戦車は配置してみました。3式中戦車を置きたかったのですが、再販前で売っていなかったので完成手前の1式中戦車を仕上げて置いています。
史実では1式中戦車も内地以外配属されず戦闘を経験すること無く終戦を迎えています。
実際のサイパン戦では戦車第9連隊は97式中戦車改と97式中戦車と95式軽戦車で戦っています。正確な射撃をM4シャーマンに撃ち込んでも弾きかえされたようです。
99式軽機関銃を射撃中。こんなところで伏せていたら戦車に轢かれてしまいそうです(;^_^A
道路を戦車と歩兵が密集してしまっていて艦砲をくらったら壊滅してしまいそうなレイアウトになってしまっていますが、次回作は配置をもっと工夫してみます。
今回のジオラマベースは戦車は固定しておりません。
戦車は自由に配置を変えられます。
史実のサイパン戦のように97式中戦車チハと95式軽戦車ハ号を置いてみました。
タミヤの恐竜セットのトリケラトプスを置いてみたりも。恐竜さんも援軍に参加してくれます。
四式中戦車咆哮ス サイパン戦車戦
在留邦人も疎開し全島を要塞化したサイパンに昭和19年10月12日、800隻もの大艦隊で米軍侵攻部隊が来寇、3日間で9000トンの砲爆撃を加え15日早朝より米海兵隊第二師団と第四師団が上陸を開始する。
強固なべトンで防御された水際陣地では艦砲射撃の損害も少なく、隠蔽られた砲兵陣地と併せて上陸用舟艇やLVT多数を撃破し死傷3000を超える大損害を与え、米軍は戦車揚陸艇を接岸させるなど強引に橋頭堡を確保するも海岸線300mから前進ができなかった。
15日夕刻、米艦載機が活動を終えるころ、陣地転換した15㎝榴弾砲装備の野戦重砲第9連隊第2大隊や独立山砲兵第3連隊、臼砲第14大隊、野砲兵第10連隊第三大隊、噴進砲第2大隊などの砲兵隊が米軍橋頭堡を攻撃し大打撃を与えます。
米軍上陸部隊が大混乱に陥ったところを、戦車第9連隊は歩兵136連隊ととも4式中戦車を先頭に突撃を敢行、長砲身の75㎜砲でM4シャーマンやアムタンクを多数撃破し、米軍陣地を蹂躙するも、次第に沖合からの艦砲射撃が激しくなり、転進に移ります。
以降は複数の予備陣地を機動しながら連合艦隊来援まで持久戦を戦う事になりました・・・
※史実では五島連隊長が16日早朝に戦車隊単独での攻撃を提案しましたが、歩兵との共同攻撃を指示されたものの歩兵部隊の集結が遅れ17日の夜中にずれ込んでしまいます。
この遅れは致命的で米軍は多量のバズーカ砲をはじめ物資を揚陸し日本軍の夜襲に万全の態勢で待ち構えていました。戦車連隊は不慣れな夜襲に加え、強力なM4シャーマン戦車やバズーカ砲、猛烈な砲撃により1両を残して全滅してしまいました。
充分な陣地構築や戦車と歩兵の連携の訓練などが行われていたら史実とは違った戦いになっていたかもしれません。
今回のジオラマ製作にあたって、サイパン戦関連の書籍をいくつか読んでみました。
あの島でどのような事が起きていたのかが知れました。
次回作は、途中で止まっていた日本軍の補給基地のジオラマの製作を進めていきたいです。