ピットロードの水雷艇「初雁」です。
初雁は千鳥型水雷艇として建造されました。
水雷艇は軍縮条約で駆逐艦の保有量が制限されたので、制限外の600t以下の船体に、2000tの特型駆逐艦の半分の武装12.7㎝砲3門と53㎝魚雷4門、速力30ノットと、3分の1の大きさの船には無理な武装を搭載されました。
無理がたたり、竣工後同型艦の友鶴は訓練中に転覆するという大事故を起こしました。
そのため、千鳥型は徹底的に改修し艦橋を低く、武装を旧式の12㎝砲3門に交換、魚雷発射管は2門に減らし、バラストも搭載して速力も28ノットまで減らされました。
平凡な性能のフネになってしまいましたが、日中戦争では対地任務に活躍、太平洋戦争がはじまると速力を活かし船団護衛に活躍しました。
大戦後半には後部12㎝砲を撤去し、爆雷兵装を増強しました。キットではY砲を取り付けず、取り付け位置を削ってK砲を合計8基にする指定ですがモールドが消えてしまうのでY砲のままにしています。大戦末期に同型艦の千鳥、友鶴、真鶴は戦没しますが初雁は無事に終戦を迎える事ができました。
次級の鴻型水雷艇と、裏方ながら護衛任務に活躍した武勲艦です。
キットも組み立てやすくスマートな小型駆逐艦が再現できます。